シャープの古いパソコン、MZ-700(MZ-721相当)です。以下のようにオーバーホール及び修理を行い、稼働する事を確認しています。ビデオ入力端子があるテレビ、もしくはAVtoHDMI変換器+HDMIモニタをお持ちの方は、このままご利用頂けます。
1)お渡しできるもの
・以下のセットとなります。
本体、BASICテープ(S-BASIC)、ゲームテープ「RUNNING GAME」、ACコード、BASICクロスリファレンス(自家編纂)、※動作確認のために写っているジョイスティック・テスター・手製基板・絶縁抵抗計・ICレコーダ類はセットに含みません。※ACコードは互換品です。オーバーホールおよびエージングで使用していましたので継続して使用頂けると思います。※BASICクロスリファレンスは私が自身の整理・活用のために作成した物ですが、マニュアル代替として添付させて頂きます。本書の詳細は以下でご覧ください。
・以下のオーバーホールを行っています。
プラスチック本体(上下)及びキートップの洗浄と黄ばみ落とし、メイン基板と内部の、静電対策ブラシによる入念なホコリ落とし、金属部分(データレコーダ背面・基板保持板・電源ユニットケース上側)のさび落としと防錆処理(出来る範囲の処理ですので残サビゼロではありません)、キーボードの全分解と清掃、シリコンスプレーによるキー押下げの潤滑化、接点復活、スプリングの簡易防錆、電源ユニットの基板上の汚損落とし、電解コンデンサは全て105℃品で交換し裏面の追加防湿処理済、出力電圧確認、カラーエンコーダの電解コンデンサ・リード腐食部品の交換、BWモードの画質改善、データレコーダ部の金属部分へはミシンオイル滴下、樹脂及びカウンタ部分へはシリコンスプレー追加、センス端子の接点復活、テープスピード調整、ヘッド及びピンチローラのクリーニング・消磁作業、及びオートストップ用スプリング調整、
・以下の修理と動作確認を行っています。
電源ユニットは写真のように電解コンはすべて交換し、表面はドライクリーナで基板の汚損除去を行いました。電解コンデンサはオリジナルと同じ容量・耐圧・耐熱(105度品)で交換しましたが、40年の時の流れのため、写真のように一回り小さい物となっています。かなりの部品点数の付替を行いましたので、基板の半田面は半田ボール除去を目視確認後、写真のように防湿剤を塗布しています。合わせて写真のように絶縁抵抗計で十分な絶縁抵抗が確保されていることを確認しています。ノイズ対策部品に耐圧250Vのセラコンが使われているためDC250Vレンジでの試験としています。セット組み立て時にデータレコーダの動作・停止による負荷変動の影響は受けなさそうであることをテスターで確認しています。上側の金属ケースは少しサビがありましたのでサビ落としを行い、上から防錆処理を施しています。下側は作業が必要な程度には見えなかったためそのままです。
データレコーダ部は金属部へのミシンオイル塗布、カウンタ部にはシリコンスプレー、センス端子には接点復活処理を施しました。テープ走行速度を手製の基準テープと自作計時ソフトで調整してあります。保証は出来ませんが室温でコンパクトカセット規格の±1%以内に収まっていると思います。裏側フタの金属部分も腐食が少し目立ちましたので錆落としを行い、上から防錆処理を行っています。オートストップ用のテープエンド検出がうまく動作していなかったため、スプリングを調整して停止することを確認しています。
カラーエンコーダは基板に電解コンの液漏れ痕があるため全交換しました。またケース内ジャンパに腐食が見られたものも交換し、半田面は防湿材を塗布しました。B/Wモードの画質改善のため、一部の部品を調整しています。詳しくは写真及び下の説明を参照ください。金属のフタ部分は比較的美品でしたが上から防錆処理を行っています。フタの導電性が防錆後も維持されるように処理時はマスキングテープで保護をしました。
外部出力端子(I/O BUS)をチェックするため、自作のパラレルインターフェースボードでLEDを点滅させました。少なくともZ80のI/O命令で正しく動作します。アドレスバス(A8-A15含む)・データバス・I/O制御線は確認できていますが、メモリアクセスに使用する制御信号(MREQなど)は未チェックです。そもそも本機は内部I/Oと同じバス信号が出ていますので、接触不良が無ければ正常動作すると想定できます。
外部プリンタ端子も自作のLEDボードにより機能することを確認しました。MZのプリンタI/Fは2bitの入力が付いていますが、つながるものがないためスイッチで入力データレコーダを外した純正ジョイスティックを2個接続し、BASICによるデモソフトを作成しJOYSTICK1,2端子の同時正常動作を確認しました。
カーソル点滅タイマ・MUSIC演奏用のタイマは基板上の回路で生成されていますが、発振周期を測定し回路設計定数からは大きなズレがないことを確認しています。(目安として±15%以内)
ケースのゴム足が劣化していましたがゴム足の代替品の信頼性確認まで時間が掛かりそうに思われましたので、黄ばみ落としが終了している手持ちのMZ-731筐体下部と交換しました。そのため、裏面銘板が写真のように、MZ-731となっています。写真のようにプロッタプリンタはありません。
・結果、以下の機能を確認しています。
画像出力: RGBカラー出力、コンポジット出力(カラー・B/W両方)、RF出力(カラー・B/W両方、1ch,2chとも)、サウンド: 本体の起動音及びデモソフトによる音階演奏出力(仕様によりRF出力にはサウンドは出ません)、ボリュームでの音量調整、キーボード: 全キー入力可、接触不良無し、データレコーダ: 書き込み・読み出し、早送り・巻き戻し、モータのソフト制御、テープカウンタ動作、カウンタリセットボタン動作、テープエンド時のオートストップ動作、外部カセット端子: 書き込み・読み出し、ジョイスティック端子: 1,2とも正常動作(スティックX-Yの角度読み出し、2個のスイッチ※添付テープはエラー無しを確認(ROMルーチンでベリファイ済)、 S-BASICの裏側にデモソフトが3本記録されています。 うち2本はそのまま動作しますが最後の1本はプロッタプリンタ用ですので本機では動作しません。 ゲームテープも起動し動作することを確認しています。
※データレコーダが入っているため、外部カセット端子の動作確認はしていますがお渡しする時点では機能しません。(内部で同じコネクタを使うため同居できない) 以下記載のBASICクロスリファレンスに接続方法を記載していますので、もし利用される場合は参考にしてください。
2)セットの状況を記載します。
プラスチック本体(上下)とキートップの黄ばみ落としにより白さが回復し汚れも落ちました。白い部分は40年を感じさせない綺麗さを実感頂けると思います。ただしプロッタ部の樹脂カバーに長い擦り傷が目立ちます。無理に何かしようとすると質感がなくなるかと思い、このままとしました。これ以外にもいくつか小傷はあります。ファンクションキー部分の透明カバーは添付します。
ビデオ出力画質はテレビモニター側の性能に大きく依存します。アナログチューナーが搭載されているソニーのテレビで試した感じでは、RF,コンポジット(ビデオ入力)は写真の通り色にじみはありますが意外と見れます。カラーにおいてはコンポジットよりRFの方が少し見やすい感じはありますが、現在はRF出力機能を使うことはまずないと思われ、回路故障がないことを確認している意味合いになります。
RGB出力がやはり一番綺麗で、デジタル8pin→VGA変換ケーブルを使用し、水平走査15kHz対応のVGA入力付きモニタで確認しています。各B/W時の画質を改善するためカラーエンコーダの定数を少し触っています。写真に前後比較を掲載しましたが、画面全体では見やすさが全然異なります。このMZ-700のコンポジットB/W出力機能は非常に秀逸な仕様と思います。レトロBASICを楽しみたい方には好適なセットでしょう。ただし受け側によってはB/Wの方が画質が低下する場合が希にありました。当方では一部のブルーレイ機の入力端子でそのような挙動があり、ブルーレイ側にB/W(カラー信号が無い)という想定がないのではと想像されます。コンポジットB/Wは安価なHDMI変換器でも十分使えていますので、ネットで購入されると良いと思います。カラーでは色にじみが酷いのであまりお勧めできません。
データレコーダのオートストップ動作(メカ)は初めて手を入れましたが、使っている感じでは安定して動作しています。通常はロードが終了すると直ぐ手で解除しますので、あまり利用する事は無いと思います。ジョイスティック端子はオーナーズマニュアルには記載されていませんが、BASICにゲーム「RUNNING GAME」はモニタからロードさせてください。(BASIC不要)説明書はありませんが画面に表示されるので、操作方法は直ぐ分かると思います。
本体内ユニットのロット番号は以下となります。- カラーエンコーダ : DUNT-1048ACZZ J22T- データレコーダ : DUNT-1002ACZZ 26111540- 電源ユニット : DUNT-1039ACZZ 013640(AB)- キーボード : 821028
マニュアルが無いと使いづらいと思いますので、自分で整理・活用のためにまとめたBASICクロスリファリンスを合わせてお渡しします。S-BASIC/HuBASIC/SP-5030を収録し、マシン語モニタやROMモニタのコマンド及び技術資料を追加掲載しています。白黒16ページ冊子と小さくまとめたためBASICの解説書にはなりませんが、当時物のBASICをご存じの方にはご利用頂けると確信します。またアセンブラでプログラミングされる方には必須と思われる8255・8253のコントロールワード・I/Oマップや、MZ-711同等とするためのジャンパ接続方法等も追記しました。誌面の様子は写真でご確認ください。表紙と中身の一部を掲載しました。ただし個人編集であり、全ての情報が確認済みとは言いがたいこと、誤記誤植があるかも知れないこと、ご理解願います。お渡しする時点で判明している誤記は追補の形で添付いたします。本書については落札以降もご意見・ご質問をお受けしたいと思います。本書記載のメールアドレス宛ご連絡ください。
約一ヶ月間、BASICによるプログラム作成等を行いましたが、非常に安定して動作しています。直接使用しない日もアラーム時計をBASICで作成しほぼ毎日、目覚まし代わりに使用しましたが、エラー・暴走無しでした。
-----商品到着後、1週間以内で代品が無いため本体交換は出来ませんが受け取り後の動作に関する不明点やソフト環境立ち上げなどは、ヤフオクでの掲載終了後もある程度ご相談はお受け出来ます。
そもそも年代物なので、現時点では正常動作していますが、いつどのように壊れるかは分かりません。一ヶ月の間、ほぼ毎日稼働させましたので大丈夫とは思いますが、機械モノは適切な環境で保管し、時々でも使ってやることが必要かと思います。
-----MZ-700の発売(1982年)から41年が経ちました。同時期の8bitパソコンの中でもデータレコーダとB/W切替え付きコンボジット端子を持ち未だ動かせる本機は貴重な存在と思います。
ですが、過去にはリスクの高い品が多数出品されており、当方も何台か落札しましたが、以下のようなものが見られました。- 電源LEDは点灯するが電源出力電圧が低く起動せず(電源から異音がしているのに気がつかないか無視して「通電確認済」で出品)、- テープカウンタのボタンが脱落しているのに説明も無し(「写真で確認ください」のみ、黒いのでかなり分かりづらいです)、- キーボードが、写真では正常そうだが開梱時に脱落、一部キーボードは裏からネジで固定しており動かず(ほぼ偽装品でした)、- 内部に異常な量のホコリが溜まっているが「通電確認」として出品(連続通電での発煙リスクが極めて高いです)、
そもそも40年も経つ電気製品の「通電可」は、必ずしも安全に連続通電できるとは限らないと認識すべきでしょう。特にMZ-700の電源回路は外部から直接ホコリが入る構造でAC100Vからスイッチング回路で生成していますので、ホコリや腐食が多いでは、よろしくお願いします。